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眠れない夜は  



寝付けない夜が続くと、歳のせいか若いときの事を思い出します。


働き出してから、自分は人と交わるのが下手なんだと気が付きました。

何処にいても孤独でした。

訳もなく憂鬱に支配され、仕事をさぼって

大きな公園の片隅で一日音楽を聴いている日もありました。

公園には浮浪者がたくさん住み着いていて

邪魔にならない場所を選びました。

その後はあてもなくブラブラするのですが

大都会は活気があって、何処へ行くにも人の流れに乗ったり逆らったりしないと

前へ進めず、やたら人にぶつかってしまう自分はそれだけで

駄目な奴だと思いました。

家に帰りたくありませんでした。


その頃家族とほとんど会話を交わしませんでした。

姉が、大学を辞めたことにも気が付きませんでした。

姉は子供の頃から勉強ができ、一浪したものの

名門女子大に合格して幼稚園の教諭になるものと思っていました。

ある日大学から、出席日数が足りないと連絡があり

初めて両親は姉が大学に行ってないことを知りました。

大揉めに揉めたようですが、内容は知りません。


父は姉が有名大学に合格したのを自慢に思い、教育課程に必要だとピアノまで買いました。

その怒りようは凄かったですが、姉の意思は固かったようです。

姉が父に逆らったのは、あれが初めてだと思います。

母から姉が本当に行きたかった大学は、父が反対して受験させてもらえなかったと聞いたのは

父が亡くなった後でした。


よっぽど嫌だったんだろう。

子供好きとも思えないし、あんなに大人しい姉が人前で歌ったり

不器用なのに今更ピアノの練習をしたり。

自分が憂鬱に支配されて行き場がなかったとき、姉もまたそうだったのかなと思いました。


姉が可哀相でした。

私は期待もされず、好きな勉強をして好きな職業につけて

幸せな方だと思いました。


しかしそれは間違っていました。

何故なら姉は大学を辞めてから明るくなったからです。

大好きな本に囲まれて書店のバイトは楽しそうでした。

時々ご飯に誘われるようになりました。

お洒落をするようになり、服を貸してくれました。

堂々と正論を言うようになりました。

本当は私よりずっと強い人でした。

私を可哀相だと思っていたのかもしれませんが

お互い聞いたことはありません。


眠れない夜が続いて、心身が疲れたときは

トム ウェイツを聴きます。

駄目な自分にも優しく聴こえるからです。


Tom Waits: On the Nickel
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Posted on 11:57 [edit]

category: 時々思う

tb: --   cm: 2

コメント

私も、時々若い頃を思い出します。
そうですね、眠れない時が多いかも。
どうしてなんでしょうね。

都会って、そこに存在しているだけで疲れてしまう場所だと感じていた私です。
葉流さんは自分をダメだと思っていたみたいですが
きっと、多くの人がそう思っているんだと思います。
私もその1人^^・・・今は、ダメもヨシとしてますけど(笑)
失礼かもしれないけれど、『カッコイイ』そう思いました。
今度、眠れない夜には私もトムウェイツを聴きます^^

URL | huuku #-
2015/10/09 14:49 | edit

Re: タイトルなし

huukuさん

有難うございます。
その頃の自分は、やる気がなく荒んでいて
どうやっても負の方向へひっぱられてしまうような感じでした。
本当に自分はクズだと思っていました。
そういう気質なんだろうと思います。
都会は天国と地獄の格差が嫌でも目に入って来て
やりきれない気持ちになることは多いですね。

今は地方に住み、子供が正の方へひっぱってくれていて
何とかバランス取ってるのかな?
本質は変わってないのに、ですね。

huukuさんの「ダメもヨシとする」そんな大らかさが
欲しいと思う今日この頃です(*´∀`*)

URL | 葉流 #-
2015/10/10 12:14 | edit

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